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歯科に関するQ&A

キシリトールのQ&A

質問項目

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院長からの回答

キシリトールって何ですか?
 キシリトールは糖アルコールの一種で、1997年4月17日に食品添加物として厚生省から認可され、現在ではガムやキャンディーなどのたくさんの菓子類に含まれるようになりました。

 キシリトールは白樺、ワラ、トウモロコシなどに含まれるキシランという多糖を加水分解して得られたキシロースを還元して作られる天然素材の甘味料です。主にフィンランドで生産されています。
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キシリトールにはどのような特徴がありますか?
 糖アルコールの中では最も甘く、砂糖と同じくらいの甘さがあります。溶ける時に熱を奪うので、食べると清涼感もあります。力口リーは糖アルコールの中では高めの3.0Kcal/g(砂糖の約75%)です。なお、砂糖の力口リーは4.0Kcal/gです。

 キシリトールは天然素材の甘昧料であり、安全性が高い食品です。世界食料農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同の規格委員会によって、「1日の許容摂取量を限定せず」という最も安全性の高い力テゴリーに評価されています。
 キシリトールは陽管から吸収されますが、大部分は代謝されずに排泄されます。そのため、低力口リーの甘昧料として、特に糖尿病の患者さんに用いられています。
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キシリトールを摂取していれば、虫歯にならないのですか?
 キシリトールが広く使われるようになり、"キシリトールの摂取が虫歯を防ぐ"など、一部に誤った、あるいは行き過ぎた認識がされているようです。

 キシリトールを用いた虫歯の予防法は、追加型齲蝕(うしょく)予防法と呼ばれるもので、ブラッシングやフッ素の応用、正しい食生活や定期的歯科検診に取って替わるものではありません。これらを補い、効果を高めるための材料なのです。ですから、日頃の口腔ケアがあってこその予防法といえます。
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キシリトールは虫歯の原因菌にどのように作用しますか?
 キシリトールは、砂糖など歯を溶かす発酸性の糖質とは異なり、非発酵性です。
 ミュータンス菌(虫歯菌)は糖質を餌にし虫歯を作りますが、キシリトールを食べてしまうと糖代謝といってエネルギーを作り出すことができなくなります。こうしてミュータンス菌は滅少していきます。ただし、こうしたキシリトールの働きは殺菌作用と呼べるほど強いものではありません。

 また、キシリトールはその甘さによって唾液を出させる効果もあります。唾液の量が増えると、口の中の酸が中和されやすくなります。それによって一度脱灰(歯の表面の溶け始め)した歯に力ルシウムなどの無機質が沈着して歯質の補強(再石灰化)の促進や、さらに、キシリトール自身によって再石灰化を促進したという報告もあります。

 しかし、キシリトールが虫歯を抑制するという性質についてはまだ定説とはなっていません。今後の研究が待たれるところです。
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再石灰化ってどういうことですか?
 脱灰(歯の表面の溶け始め)したエナメル質(歯の表面)を目で見ると、ザラザラして白濁して見えます。脱灰も初期の段階では唾液中のカルシウムなどの無機質の沈着によってふたたび健全な歯質に戻る「C0」という段階もありますが、エナメル質が完全に破壊されてしまった「C1」という段階ではもう元には戻りません。
 唾液中のカルシウムなどの無機質が歯に沈着してふたたび健全な歯に戻ることを再石灰化といいます。
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キシリトールを食べ過ぎるとおなかがゆるくなると聞いたのですが?
 キシリトールなどの糖アルコールは、たくさん食べると一過性の下痢を起こすことがあります。
 キシリトールについては、体重1kg当り約1.6g(1日摂取量にして約90g)までは大丈夫とされています。これも個人差がありますので、心配な場合には、まず少量食べてみて様子をみるなどの注意をして下さい。
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キシリトール含有の歯磨き粉は、歯に良いのですか?
 歯磨き粉にキシリトールが含まれているものが市販されております。虫歯予防には、良いと思われますが、あくまで歯磨き粉は、補助的なものですので、過信してはいけません。歯ブラシで汚れを落とさないと、虫歯になってしまうこともありますので注意が必要です。
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